
1年に1度、雪が降るかどうかという気候のイビサです。
その島がまるで雪に覆われているのかと思われる時期があります。
1月最終週から2月第2週まで、島はアーモンドの花の白色で埋まります。
島が一番きれいになる季節です。
どの道を通っても綺麗なのですが、私が特にお薦めするお花見の場所は2か所。
Santa Ines(サンタ・イネス)と、San Vicente(サン・ビセンテ)です。
サンタ・イネスは村全域にわたってアーモンドの木が植わっています。
アーモンドの花は桜の花にとてもよく似ていますが、色はもっと白く、1本の木に咲く花の数が桜に比べると少ないように思います。
桜の木は、一本見上げるだけで感動します。美しさとはかなさを感じますが、アーモンドからはそういう印象は受けません。とても力強いです。何本も重なって見えるととても美しいです。また陽の光に照らされてきらめくのがとても綺麗です。
サンタ・イネスのアーモンド畑です。
私の一番のお気に入りは、サン・ビセンテの山間に咲くアーモンド畑です。
アーモンドの実は8月頃果肉が割れて、中にある茶色い殻が顔をのぞかせます。そうなると収穫なのですが、木から自然に落ちるのはほんの少しで、あとは長い棒を使って落とします。意外に重労働です。集めた実は果肉を取り外し、硬い殻を取ります。
イビサにはアーモンドを使ったお菓子があります。「アーモンドのマドレーヌ」と「パネジェッ」というお菓子です。
アーモンドのマドレーヌ (Madarena de Almendra:マダレーナ・デ・アㇽメンドゥラ)。マドレーヌと呼ばれていますが、マドレーヌらしくなく、サクッとしていて美味しいです。
パネジェッ(Panellets)はこちらの習慣でお墓参りに行く諸聖人(万聖節)の日、11月1日に作ります。その日が近づくと、パン屋さんでも売られます。イビサだけではなく、カタルーニャ地方でも作られています。
中はアーモンドパウダーとサツマイモですが、外の飾りは松の実やアーモンド、ココナッツと様々です。我が家でも松の実のパネジェを作ります。サツマイモ入れ、ペーストが柔らかくなるので思わず食べ過ぎてしまいます。